気持ちいい先に


ナカムラクリニックnoteから転載

https://note.com/nakamuraclinic/n/n8ff8f37f8d9d

既に 猛毒レベルの凄まじい被害






「とにかくね、たいていの人がそうだが、病気にかかると、

すぐに医者に行って、注射をうってもらい、薬をふんだんにもらう。

そうしなきゃあ病気というものは治らないかのように皆

思い込んでいるようだが、そうじゃない。

薬というのは、確かに黴菌の繁殖をおさえる役割を

もっているから、その黴菌をやっつけて、それから受ける害毒を

少なくすることはできても、私たちのからだそのものが、

その薬によって良くなるわけじゃない。確かに黴菌は

死ぬかもしれないが、同時に自分のからだにも害があり、

飲めば飲んだ分だけ からだが壊れていって、

こっちの正体の方まで殺していくということにもなる。

例えば、黴菌が百匹、攻めて来たとする。その時にね、

その中の六十匹をそこで殺せば、あとの四十匹がそこを

かいくぐって入って来ても、こっちは大丈夫という状況に

なっていればいいんで、敵を一匹でも入れまいとしてかかると、

そりゃもう薬がいくらあったって足りゃしない。

全滅させる前にこっちの方がぶっ倒れてしまう。

もともと、人間のからだは、少々の黴菌が入っても大丈夫な

ようにできているんだけども、そのからだの基本構造が

歪んで崩れてきているものだから、ちょっとの黴菌にも

すぐにやられてしまうことになるんだ。

やられて病気になるというと、人間はその黴菌の方にばかり

気をとられて、そいつを如何にしてやっつけるか、ということに

頭をしぼる。そのことに対しては、あれやこれや、

あらゆる方策を考え、実行しようとするが、

一番肝心のからだのバランスが崩れていることには目を

向けようともしない。いくら最上の方策・作戦を巧みに展開して

敵をやっつけたとしても、敵の数は無制限だ。

次から次と、いろいろな敵があらゆる方向から攻めてくる。

やっつけてもやっつけてもきりがない。ふと気がついてみたら、

敵をやっつけるためにつくった凶器で、

自分がやられていることに気づいて大あわてだ。

こんどは又、その方の対策も講じなければ

ならなくなったってわけです。

これじゃもうイタチゴッコですね、ただ忙しく疲れるだけ。

薬なんか飲まなくても、こっちが黴菌に対する抵抗力を

回復しさえすれば病気は治る、ということに

気が付かなくちゃなりません。そして、まず何たって大切なことは、

からだのバランスを崩すような生活をしないということです。

生活が間違っていたら、あの息・食・動・想の法則にはずれたら、

まずその間違いを正すこと。生活の歪みさえ正せば、

病気は自然に治ってくるんだ、ということです。

更に言えることは、自然(人間のからだを含めて)の動きというのは、

みな、元に戻りたい本能をもっていて、ひとりでにそういう動作を

しているのです。だから、何もしなくっても、

原始感覚の命ずるままに動いていたら、いつのまにか、

治っていることだってある、ということです。」

橋本敬三『からだの設計にミスはない』柏樹社





敵をやっつけるためにつくった凶器で←今ここ!

自分がやられていることに気づいて大あわてだ←今ここ!




故・橋本敬三先生は知る人ぞ知る操体法の創始者

医師であり鍼灸師

彼の医哲学のエッセンスはこんな言葉にあらわれる

「とにかく気持ちのいいことをしろ

気持ちのいいことが一番だ」



苦しんだ先に治癒はない

気持ちいい先に治癒がある



予防と称したもので

健康な者が苦しんで死ぬ

愚の骨頂

もはや言葉も無し

  


2021年03月15日 Posted by ハリィー今村 at 08:22Comments(14)