土と健康
地球史的にみて、
地表の土が2.5センチメートル出来るのに、
なんと1000年〜2000年かかっているそうだ。
こどもたちがいじっているこの土は、
だから何千年、いや何万年、
いや38億年、いな46億年の歴史が
刻まれているのだ。
この土のなかに棲む窒素固定細菌が
空中の窒素を分解してアンモニウムに変換して、
それが植物のなかにアミノ酸として
蓄えられることで、空気中の窒素が
土中へ、土中から植物へ、植物から動物へ
という生命系における窒素循環が始まる。
その窒素固定細菌が空中の窒素を分解する酵素、
ニトロゲナーゼを世界中の土壌から集めると
わずかに大型ビーカー1個に収まる。
地球生態系はこのビーカー1個に収まった
ニトロゲナーゼに命運を握られているのだ。
土が健康ならばひとも健康だ。
土の健康を無視してひとが健康になどなれない。
健康、健康と言うが、
土を汚染しながら健康になどなれるわけがない。
土いじりが安心して出来る国。
それがほんとうの意味での
安心安全な国作りだ。
2017年10月31日 Posted by ハリィー今村 at 06:06 │Comments(0)
宇宙人でミミズで金魚
地球人類を宇宙の外から見る宇宙人的視点。
そして、人間を地の底から眺めるミミズの視点。
このふたつの天と地の視点を獲得すると、
人類のやっていることのなかで、
最大の問題は何か、が見えてくる。
それは要約すると、
金魚の視点に集約できそうだ。
わたしは金魚を計9匹、二つの水槽で飼っている。
ひとつの水槽には5匹の和金。
もうひとつの水槽には、ランチュウ、黒出目金、
丹頂、福だるま、の4匹。
どちらにも、濾過ボーイという水質浄化装置と
エアレーションを兼ねた装置が入れてある。
金魚は水槽のなかにウンコやオシッコをする。
またエサの食べ残しなども滞積する。
だから濾過装置がないと、金魚の棲む水質は
悪化してきて、悪性のバクテリアが繁殖して、
窒素が増えると、金魚はこの窒素毒で死滅する。
このアクシデントは以前に何度も経験している。
だから濾過装置は欠かせないのだが、
この濾過装置も内部のフィルターを時々、洗うことが大事で、
またそれとはべつに水換えも、時に応じて、やらねばならない。
そうして、金魚の水槽の水質を常に良い状態に維持できれば、
金魚はいつも元気で健康なのだ。
だけど金魚はこの水質管理を自分では出来ないので、
飼い主にやってもらうことになる。
もちろん、それは当たり前で、飼い主が
飼っている金魚の水槽の水質管理を行うことは、
責任と義務の範疇だ。
また、そうして管理を行うことで、
金魚への愛情も増すというものなのだ。
金魚が元気ならば、わたしも嬉しい。
金魚の気持ちになって、常に水質を見守ることは、
べつに苦痛でもなんでもなく、
当たり前の事になっている。
良い飼い主に出会えた金魚は幸せだよね。
そう、いまのおれたち人類は、
ほんと、良い飼い主に恵まれなかったよね?
はぁ〜ってか?
人類が誰かに飼われているなんて発想は、
陰謀論的なトンデモだけど、
例えばある国家の国民は、その国家の為政者に
飼われている事と同義だ、と言えば話が早いだろう。
地震大国にたくさんの原発を埋め込んで、
安心して暮らせ、と平気でのたまう為政者が、
果たしてわたしたち国家の飼い主として適切なのか?
良い飼い主ならば、そもそも原発など
この地震列島に埋め込むなどしていない。
そんな連中をまたもわたしたちは為政者に選んだのだ!
勘弁してくれよ。
おれら金魚は悪化した水質で息も絶え絶えだぜ!
宇宙人の視点、ミミズの視点、金魚の視点で、
世間一般を見つめていると、
どんどんと世の中の常識から逸脱し、
世間様から変人扱いされるようになる(笑)
でも、それはしょうがない。
オレはたぶん人間の着ぐるみを着た宇宙人で
ミミズで金魚なんだから。
2017年10月29日 Posted by ハリィー今村 at 13:15 │Comments(4)
宇宙人的視点
洗脳とか、マインドコントロールとか、
認知支配とか、そんな言葉が
ネットが流行りだして認知されるようになった。
いや、洗脳やマインドコントロールは、
なんとか真理教というカルト宗教が、
テロ騒動を起こしてからだったか。
宗教的な洗脳は、信者だけが対象だが、
他の分野での洗脳は対象が多いほどに、
その害は深刻だ。
例えば原発安全神話という洗脳。
これに毒された日本人はたぶん、いまでも
国民の99%にのぼるはずだ。
でなければ、3.11のあとに、
原発政策をすすめてきた某政党を、
なんども再選させたりするわけがない。
つまり、この国の国民は3.11が起こっても、
あたまのなかみはなんにも変わっちゃあいないのだ!
あと何回、原発が爆発すれば、
原発を止めるのか?
日本は4枚の地殻プレート上に乗る世界でも有数の
地震のホットスポットだ。
世界で起こる巨大地震の10%が日本で起きている。
そしてマグニチュード6以上に限ると、
22%、約5分の1となる。
活断層がどうのこうのという問題はだから、
フェイクであって、それこそ洗脳なの。
あるいは、高レベル放射性廃棄物という
原発のゴミを、日本の地下に埋める?
ガラス固化なんて、とんでもないもろい方法で、
固めたうえで、地下水に即座に満たされる地下に、
埋めて、それでいつなんどき大地震が来て、
地下のどこかにまぎれこんでしまうような、
そんな危険にさらして、何万年も保管するって?
ほんと、どんだけ、バカなんだろう、って
おれら一般人は笑ってるんだけど。
こんなことをマジメに吹聴して回っている連中が、
いまだにあとをたたない。
ウランという鉱物を利用するということは、
採掘から最終処分まで、その全過程で、
被曝がつきものなのだ。
とにかく、原発安全神話など神話、フィクション、
つくりばなし、嘘八百、デタラメ、
洗脳、マインドコントロールなのだ!
おい、日本人よ。
いい加減に目を覚ませ!
原発を野放しにして、安全安心な国作り、
安心安全な町作り、そんなものは、
絶対にできないのだ!
3.11で原発問題には、
はっきりと白黒つくはずだった。
なのに、いまだにグレーにして、
ちょろちょろと再稼働させている。
いったん大地震が起きれば、
また3.11と同じ目に遭う。
ほんとうにオレは今、宇宙人のような気分だ。
宇宙から飛来した異星人は、
みずからの手でみずからが吸う空気を、
放射能のような毒物で汚しながら、
平然と過ごすこの地球人の姿を見たら、
なんと思うだろうか?
それは金魚が自分で水槽の水のなかに、
青酸カリや水銀をせっせと、
注入する姿と等しい。
地球環境を汚染し続けながら、
健康でありたいと願う。
もう完全に狂ってる。
健康でありたいのなら、
まず環境汚染、環境破壊を止めるのがスジ。
健康を志向する医療人も、
まったくどうかしているよ。
ビタミンだか、ミネラルだか、フィトケミカルだか、
知らないけど、有益な分子をどれだけ摂取しても、
その吸ってる空気が毒まみれだもん。
宇宙人から見たら、そんな姿はバカにしか見えない(笑)
健康になりたければ、原発を停止する選択しかない。
この空気を含め、土壌もなにもかも、
それらすべてはわたしたちそのものなのだ。
宇宙から見たら、
わたしたちは地球という水槽に泳ぐ金魚に等しい。
いま地球人という金魚は窒息寸前だ。
地球全土をクリーニングできる濾過器でもあれば、
フル稼働したいところだが、そんなものはない。
汚染された土壌、海洋、大気が、
徐々にその放射能濃度を下げるのを待つのみだ。
救いがあるとしたら、一部の土壌菌などのバクテリアの中に、
放射能を吸い込んで無毒化できるものがいるくらいのものだ。
選挙がなんど行われようと、
また3.11を引き起こした政党が与党に返り咲く。
そんな現実に怒り心頭ゆえに、
またこんなどうでもいい記事を書いてしまった。
まあ、ご興味のない方はスルー、
ある方も、てきとーに読み飛ばしてください。
2017年10月28日 Posted by ハリィー今村 at 05:53 │Comments(4)
ミミズの視点
先日に新聞の一面のいちばん下の部分に
掲載される本の広告欄に、
この写真にある「土と内臓」の宣伝があり、
その広告には、
10000部突破、と書かれていた。
わたしがこの本を購入したのは、
たぶん、今年だか、去年の正月だったような気がするが、
うろ覚えでよく覚えていない。
でも、この本をネタに、
なんどか論説を展開してきている。
けっこうな分量のある本で、
それなりに専門的な内容なので、
たいして部数は出ないのでは、
と私は高をくくっていた。
でも、こんな分厚い本が、
1万冊も、この日本で売れている。
コレって、けっこう、凄くないですかね?
と、今思う次第だ。
この本の内容は、
いわゆる腸内細菌のエサになるプレバイオティクスと
発酵食品を摂取するプロバイオティクスに焦点の当たった
マイクロバイオームに関しての網羅的な論説だ。
つまり、完全に今の時代にドンピシャで、
健康トレンドのストライクゾーンに、
ど真ん中に打ち込んでいる内容だ。
だからこその、1万部突破の快挙!
で、冒頭写真のその横の
「地中生命の驚異」。
これは、さらに内容が固く硬質だが、
じつに読む価値のある一冊と
わたしが太鼓判を押しておく。
でも、とくに地中3000メートルに
古細菌のパラダイスがあるとか、
エダマメのアルギニンは土中の窒素固定細菌が
空中の窒素をアンモニウムに変換したものだとか、
そういった事に興味のない方には、
まったくお奨めいたしません。
選挙騒動、さらに選挙の結果を見るに、
現代はとんでもない世界だと愕然とするわけですが、
そんな中でも、こうした本が注目されるという事は、
まんざら捨てたもんでもない、
と気持ちを新たにする次第だ。
ミミズがこの世界から消えたら、
わたしたち人間はアッという間に落ち葉に埋もれて、
この地球で居場所を失う。
それほどに大切な存在であるミミズ。
ミミズは私たちの選挙騒動を、
いや、人類の今の文明をどんな目で
見ているのだろうか?
2017年10月23日 Posted by ハリィー今村 at 13:51 │Comments(0)
バカ卒業
ネットというメディアが登場して、
時代は様変わりした、とか
そんな風に言われる事がある。
ほんとーか?
たしかにネットは便利だ。
調べたいことがあれば、
検索にかければ、答えらしきものは見つかる。
また、個人が発信するいわゆる個人メディアの
ブログが百花繚乱で、それぞれが独自にリサーチした
なにがしかを発信しているから、
こちらが努力しなくても、そうしたサイトを
のぞき見すれば、そこそこの知識は手にする事が可能だ。
グローバルなマーケティングのバイアスがかかった
大手メディアの情報は、すべて洗脳だから、
あんなものに四六時中さらされていたら、
ほんとうに主体的な思考能力を失ってしまう。
大手メディアはパー量産機関なんだもん。
だから、ネットの個人メディアはそれなりにありがたい。
でも、世間の情勢を見ていると、
相変わらずに大手メディアのバイアス洗脳情報が
幅を利かせていて、ちっとも主体性のある個人が
増えてるようには見えない。
つまり、いまやネットも立派な認知支配ツールに
なっちまったってことだろうね。
ネットを主な情報源にしているネット民だって、
だいたいがネットで有名なカリスマ・ブロガーみたいな
そんなサイトをはしごしては、
そうした連中の情報を信じているわけだ。
信じる者は騙される。
ようはネット真理教の信者さんが増えただけで、
意外にも、こうしたネット民も洗脳の被害者で
あったりするんじゃね?
なんて、最近、つくづく、思ってしまう。
選挙、選挙と、まったく、うるさい!
もちろん、いちおうは、選挙に行くけど。
でも、本当にこの国ってオカシイよね。
いやこの国だけじゃないか。
全世界、かなりオカシイ。
地球の大陸は常に動いている。
そんなグニャグニャのプレート上に、
なぜ原発など埋め込むのだ?!
プレートの境界上では、地震が多発する。
日本は4枚のプレートが重なる地震の巣の上にある列島だ。
そんな日本に53基もの原発を埋め込んでしまった。
いったい、こんなサルでもわかる馬鹿げた事をしたのは、
どこのどいつだ?!
その怒りをぶつけるのがオレにとっての選挙だ。
ネットが流行ろうが、個人メディアが隆盛を極めようが、
人類はそう簡単に利口にはならないようだ。
そうそう、バカを卒業して、お利口さんになるには、
自分のオキシトシン値を高めるのが一番って、
養生法の探求というブログで言ってたよ(笑)
体が喜ぶことは、みんなオキシトシン値を高める。
なんでもマッサージはやられる側のオキシトシン値だけでなく
やる側のオキシトシン値も高めるんだって。
さて、午後もマッサージをやる側になって、
オキシトシン値を高めて、バカを治すぞ、
ウォーーーーーーーー!
2017年10月18日 Posted by ハリィー今村 at 13:24 │Comments(4)
ひとすじの光りとともに
東洋医学というものは、
もともとは科学の発達していない時代に
体系化されたものだ。
だいたい、今から2000年くらい前に、
基本設定が完了している。
もちろん時代が下がるにつれ、
それなりに変容はしているが、
今の科学用語と整合性を持たせるような、
そんな整理、編集、バージョンアップ化は、
まったく行われていない。
だから、普通は、東洋医学で使われる用語など、
現代人には何を言っているか、が
丸っきり通じないのは当たり前なのだ。
その当たり前を良しとするか、
それとも、それをどうにか改善し、
なんとか現代人にわかるような整合性を
成し遂げようとするか。
そのへんが鍼灸指圧師の個々人の器量ということになってくる。
いやべつに、わたしは2000年来の用語をそのまま使用する
古典派閥や伝統鍼灸を敵に回そうというつもりは、
さらさらない。
そうした態度、立場は、おのおのの事情というものがあるわけで。
ただ私個人は、あくまでも現代人にわかるような
いや現代人を唸らせるような、
そんな私独自の東洋医学論をぶちあげたいと、
常々、考えているというだけのはなしだ。
それで、だから、気だの、経絡だの、
とそんなマンネリ用語を使用せずとも、
十分に読み応えのある東洋医学論をここまで
展開できている、と勝手に思っているが、
どうだろうか?
まあ、どう思われようと、私は私独自の語りで、
語るのみだ。
鍼灸指圧をすると、皮膚と血管壁から、
一酸化窒素やHSPやオキシトシンやATPの合成分泌が
促進される。
これらの分子がカスケード反応に連鎖反応を
引き起こし、鍼灸指圧を受けた体は
自然治癒反応や抗ストレス反応が高まり、
結果、健康増進効果が発揮されるのだ。
なにも難しいことを言っているわけではない。
あくまで科学で分かった当たり前の生理学用語を
使用して、こうして鍼灸指圧の治効メカニズムは
説明できる! ということを
わたしは示しているのだ。
たしかに、いのちはカオスのエッジだ。
この私の理屈だって、それですべてが解決されるわけではない、
ことは百も承知だ。
でも、そのカオスの中からひとすじの光明、
ひとすじの光る道筋を見いだし、
それを灯明に治療をすすめることは、
無明の闇で光りの導きを得ることに等しい。
たったひとすじのかすかな光り。
それを見いだすのに、もう25年もかかってしまった。
しかし、この、ひとすじのかすかな光りは、
まことに有り難く貴い。
2017年10月16日 Posted by ハリィー今村 at 17:00 │Comments(0)
わかった先のわからない深み
こんな風に偉そうに日々、
情報発信をしていると、
どういうわけか、読み手の
みなさんは勘違いして、
わたしが健康や医療に関して
なんでも知っているスペシャリストと
思ってしまうようだ。
それって、たぶん、ネット洗脳の結果だよ(笑)
ネットをはじめ、メディアというものは、
これすべて洗脳のために存在するわけで。
だから、ネットにしろ、テレビにしろ、
新聞、スマホにしろ、
情報端末から流れてくるそうした情報の
ほとんどは、はっきり言えば、
どうでもいいくだらない洗脳情報と思っていれば
間違いない。
そして、そんなくだらない洗脳情報の中には、
まずわたしたちに必要な大切な情報などない、
と思っていれば宜しい。
こんなことは百も承知のコアな読者の皆様には、
今さら言うまでもないことだ。
さて、冒頭の案件に戻ろう。
私はべつに医療や健康に関するスペシャリストでない、
ことはすでに申し上げた。
ではあるが、鍼灸指圧師として鍼灸指圧院を開業し、
日々、ひとさまの体に触れて、
疑問を解消するために文献を読んで、
そんな日々を過ごして、25年余が経過した。
だから、わたしの発言には、
それそうおうの時間や手間暇がかかっている事は
事実だ。
そういう意味ではすでにシロウトとクロウトの差くらいは
あるとはいえるだろう。
それででは、わたしがクロウトとして、
そのクロウトがすべてを分かっている、なんて
思うのはシロウトさんの、かいかぶり、だよ、
と言いたいのだ。
クロウトはそれだけの事をしてきたが、
なにもぜんぶがわかった者ではない。
いや、むしろ、どんどんとわからない闇が広がり、
濃くなってきている。
そんな気さえするのだ。
エッ、ある道を極めようと必死になって歩んでいけば、
到達点に近づくほどに、
視界がクリアになり、悟得の地平が明るく広がるはずだ、
なんて、あなたは思っているだろうが、
どっこい、そうは問屋が卸さない(笑)
いのちなんてものは、まさにカオスのエッジ。
エッジの先っぽで、片足立ちで、
白鳥の湖を踊ってるような、
そんな世界が医療や健康のカテゴリー。
悪いけど、この世界は進めば進むほどに、
迷宮なんだぜ。
でも、その迷宮はそれなりに筋道がある。
その筋道の何本か、は見えてはきた。
だけど、なんども言うけど、
複雑なものを単純にシンプルに分かりやすく伝えること
なんて出来るものではないし、
複雑なものを単純にシンプルに分かりやすく伝えることは、
大嘘つきの所業なのだ。
何本かの道筋はわかった。
でも、迷宮の森は、ほら眼前にこんなにも
濃密にそびえている。
そっ、これが現実なんだよね。
わかったものは、ほんのこれっぽっち。
わからないものは、あまりに膨大。
でも、そのほんのこれぽっちのわかったこと。
これはこれでものすごく貴重な宝物。
そんな貴重な宝物をここではタダで手に入れることが
できるんだから、
みなさん、そこんとこ、わかってちょうだいね(笑)
わかった先に、わからない深みが待ち受けている。
だからこそ、前へ進むのだ。
2017年10月15日 Posted by ハリィー今村 at 07:00 │Comments(0)
みんな違う
ひとのからだは、みんなちがう。
この地球上に今いる人間のDNAに、
おなじものはひとつもない。
だから指紋が犯罪捜査に使われるのだ。
指紋はそれぞれの人間に与えられた
アイデンティー・カードだ。
いや指紋だけではない。
顔も、体つきも、性格も、
ぜんぶがぜんぶそれぞれに固有の
世界でたったひとつのレアものだ。
だから、アレをやれば万病が治る、
なんて理屈が、いかに馬鹿げているか。
アレが効いたあのひとの体質と、
アレが効くと聞いて試してみたこのひとの体質は、
まったく違うのだから、
あのひとに効いたアレが、
このひとに効くなんてことは、
たぶん、そうとうに、奇跡的にマレだ。
科学の世界では再現性が重んじられる。
ある仮説である実験をやったら、
世界中のどこで誰がやっても同じ結果が出る。
こういう定理を作ったものに、
ノーベル賞が与えられたりする。
でも実験系とリアルな生体系では、
まるっきり違うのだ!
だから科学の世界で立証されている理屈であっても、
現実には、また様々な違った結果が生まれる。
医学も一緒だ。
理屈では治るはずが、治らない。
理屈では治らないはずが、治る。
理屈でやったら、そのとおり治った。
理屈はそうだが、理屈どおりにいかない。
医学の世界もまた、じつはカオスのエッジ、
複雑性の領域なのだ。
みんな違うんだから、
おなじような治療でも違った結果が出る。
そりゃあ、当たり前なのだ。
でも、治療師である以上は、
一定レベルの結果を導くのが使命だ。
みんな違うけど、みんなに同じような満足を与える。
それが治療師の仕事だ。
2017年10月14日 Posted by ハリィー今村 at 13:38 │Comments(2)
難難万歳
どうもいまの世の中では、難しいものは、嫌われるようだ。
だから、こうしたネットで配信する記事でも、とにかくわかりやすく、読んですぐに理解できる、そんな内容のものが求められている。
たしかに、この分かりやすい路線はある意味、正しい。自分だって、読んでいてわけがわからないような難しいものは、まず読まない、読めないからスルーしてしまう。
また私は書く側でもあるが、書いていて気持ちよく指が動くような楽に書けるものの方が、自分にもストレスは少ない。
なんでも単純に、シンプルに、わかりやすく。この傾向は情報発信においては、絶対的に必要だ。でも、敢えて、反旗を翻したい(笑)
単純で、シンプルで、わかりやすいものが、果たして、それほど有り難いのか?
例えばいわゆる健康に関する書籍なども、そのほとんどが、コレをやれば万病が治る、というじつに単純なタイトルだ。
でも、ひとの心身はご存知のようにはっきり言って、まだまだまったくわけがわからない未知の世界。だから、こうすればこうなる、なんて理屈はひとの心身の領域では、ぜったいに通じないのだ。
ひとの心身の領域は、決して単純でシンプルでわかりやすくない。つまり簡単にわかるものなど、いのちの世界には存在しないのだ!いのちの世界はまさにカオスの縁(エッジ)。
いったいどうなるのか、いったいどうなっているのか、だれにも予測できないし、だれにも確証が持てない。カオスのエッジという断崖絶壁のその絶妙なバランスの上に、いのちは立ち上がっている。
単純ではなく、シンプルでもなく、わかりやすくもないものを、単純に、シンプルに、わかりやすく伝えることは、大嘘つきの所業なのだ。
単純ではなく、シンプルでもなく、わかりやすくもないものを正しく伝えるには、そのまま、わかりにくい内容で、伝えるのが正道だ。だけど、もしも、そんなわかりにくい世界をわかりにくく伝えれば、だれもそんなものを読んではくれない。
だから、みんな、どうにか、わかりやすく伝えようと偽善的に振る舞っているのだ。
わたしの言説も、だいたいこんな風には言えるだろう、という仮説で構築している。でも、あくまで現時点でわかってきたピースを集めて、全体像を想像して仮説を作っているに過ぎない。
その全体像の絵図を構成するピースは、まだそこら中が空白なのだ。
でも、その空白は空白のままでいいのだ。いや、その空白は、たぶん、絶対に埋まらない。すべてが変化していくのがこの宇宙。だから空白を埋めているうちに、全体の構造もまた変わってしまう。
いつまで経っても完成しない全体像を追い求めているのが、わたしたち探求者だ。
単純で、シンプルで、わかりやすいものほど飽きやすく、退屈で、つまらないものはない!
シンプル イズ ベスト だって?
おれの気分では、シンプル イズ バッド、シンプル イズ ボア、だね。
複雑系の世界は複雑で奥が深いから、ずっと探求できて楽しいのだ。簡単にわかるなら、探求など要らない。
簡単ではない、誰もが手に出来ないそんな未知の果実があるからこそ、それを追い求めるのだ。
難しいものほど面白い。わからないものほど面白い。シンプルでない複雑なものをトレンドに。いまそんな気分が芽生えている。
むずかしいものは素晴らしい!むずかしいものは最高だ!難難万歳(むずむずばんざい)!
2017年10月13日 Posted by ハリィー今村 at 01:17 │Comments(5)
医療いろいろ
お祭りで日焼けした顔が、
まるでヘビが脱皮するように、
いま剥け出している。
まあ、見られたもんではない(笑)
ここのところ、異様に暑かったが、
湿気が無いせいか、
夏のような疲れはない。
さて、今の時代はあらゆる情報が
単純化されるトレンドにある。
単純に、シンプルに、わかりやすく、
が情報発信の基本だ。
だから例えば医療も、
西洋医学と東洋医学、
現代医学と伝統医学、
などと、ものすごくザックリと分類するのが
主流だ。
でも、実際には、医療というのは、
ある意味、医療者の数だけ存在する。
つまり医療はゴマンと無数に存在するのだ。
わたしが所属するカテゴリーである東洋医学も、
鍼灸指圧師の数だけ存在するということになる。
医療者の数だけある医療のなかから、
自分に合った医療者を見つけ出し、
自分に合った医療を受けることで、
健康な人生の友とする。
そんな幸運に巡り会えるひとは、
はっきり言って、まだまだまれだ。
そんな自分に合った医療者と見込み、
わたしを見つけて、
わざわざ大阪から来院された方が
先日みえた。
ほんとうにありがたいことだ。
理想の鍼灸院を探すことが、
美味しいスイーツを求めて菓子屋巡りをする事と、
同列に語られる。
そんな時代が来れば、
すこしは鍼灸指圧のイメージも変わっていく
かもしれない。
人生いろいろ、趣味もいろいろ、
医療もいろいろ。