一生修行
ウホッ
いつからか上手い治療とかそういうのが
なんとなく胡散臭く感じるようになった。
いや胡散臭いという程のものではなく、
慣れみたいなものを忌避したくなった。
ようは、どんくさいというか
真面目というか、ヘタウマというか
そっち方面が好きになり、
うんつまり技巧を競うみたいなそのへんがとっても
イヤになったのだ。
なんだかうまく伝わらないかもしれないが
手仕事というものは数をこなせばいいとか
ベッドの回転率とか、こういうビジネスライクな思考とは
折り合いが悪いのだ。
ベッドの回転率を上げて数をこなすということは
ひとりひとりに対する集中力のシェアが問題になる。
一日に集中できる人数は知れているのに
それ以上をこなそうと思えば手仕事が荒くなるに決まってる。
神の手だのカリスマだのと持ち上げられて
ドカドカと予約が入るともうにっちもさっちもいかないだろうね。
なったことはないけど 笑
というわけで下手くそ路線というわけではないんだけど
ひとりひとりにじっくりと手をかけたいというのが
私の今の治療信条。
めんどくさい、どんくさい、誰もやりたがらないの三拍子が
そろってるのが指圧。
だからもう指圧をやる者は激減して絶滅状態。
でもだからこそ指圧、いいんだよね 笑
一押し一押し、毎回そのたびにヒートショック・プロテインや
一酸化窒素が湧いてくるんだからこれほど優れた医療はない。
だけど誰もそんな風に考えない。
ノーマーク、知る人ぞ知る、
わかるひとにだけわかるのが指圧。
そんな指圧を受けに半日かけて来院してくれるお客さんが
私にはついている。
ありがたいことです!
生命はどこまでいっても摩訶不思議でわけがわからん。
でもたまにどういうわけかこちらの思いに
応えてくれる時がある。
そんなときは少しだけ自信を取り戻し救われた気分になる。
でもまたすぐに凹むんだけど 笑
一生修行、一生未熟、それもよし。
ウホッ。