名人とは

名人とは

我が家の南景


名人という言葉がある。

例えば私のような治療を職業とする世界で

名人と言えばそれはかなりの高確率で

患者の主訴を取り除く腕を持つ者を指す。

またカリスマ治療師だの、神の手だの、

そんな誇大な表現もある。

鍼灸業界にもそんな名称を与えられた治療師が

いることだろう。

だがもちろんそんな名人やカリスマ治療師や

神の手でも治せない疾患症状はゴマンとある。

もしも100人治療して100人を本当に

治し得ればまさに神の手だが、

そんなことは絶対にあり得ない。

神の手の伝説は治せた症例だけを集めて

成り立つ虚構なのだ。

治療師である私はではどんな基準で

治療を評価するのか?

ひとことで言えば仕事量だ。

ただ鍼を1本打つだけとか、

ベッドに寝かせておく時間が長いとか、

そういうたぐいは私から見たら

ぜんぶハァ〜?なにそれー、で吹っ飛ぶ。

わたしが理想とする名人とは

徹底的に手をかけて手当ての原点を反芻する者をいう。

お客さんに頂いたオーダーの時間のすべて

一瞬も休まずに指圧し続ける。

そんな治療ができる者が私が目指す名人だ。

そうした視点で見ていくとじつは治療の世界において

すでにそんな名人はほとんどいないのだ。

カリスマ、名人と呼ばれながら一日に何十人もの患者を診る?

そんなことできるわけねぇじゃん!

丁寧にひとりひとり指圧したら、

一日に診られる人数はいいとこ数人だって!

治療院はファミレスじゃない。

顧客の回転率の効率化なんか追及してるのが

名人であるわけがない。

そんなのは単なる名人ブランドを看板にしたビジネスマン。

私が一日に治療できる人数はわずかに数人。

そして私は絶対に手を抜かない。

手当ては手を当ててナンボ。

この手の内にすべての意識を注ぐ。

ほんものの名人とは何か?

決して世の中に売れている名人ブランドが

ほんものとは限らない。

是非ともみなさんも名人の虚実を

見抜く目を養って頂きたい。

ほんもの名人は泥臭く、

非効率でかっこわるいほどに

重労働であろうとする。

しかしだからこそ効き目が現れるのだ。






2018年07月13日 Posted byハリィー今村 at 01:44 │Comments(0)

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