鍼灸指圧とミトコンドリア

鍼灸指圧とミトコンドリア


ヒトの細胞内には平均で300個ほどの

ミトコンドリアがある。

このミトコンドリアは20億年前頃の

αプロテオバクテリアという細菌が起源だ。

例えば細胞核というものも、

現在ではウイルスが起源かもしれないと

囁かれている。

細胞内にはミトコンドリアの他に、

プロテアソームという解毒器官があるが、

これも独自に分裂できるので、

かつてはウイルスや細菌のようなものだったと

推定されている。

リソソームという液胞も同じような起源だろうか。

ウイルスやバクテリアなどの様々なタイプの原始生命体が

共生的に融合したなかで、

奇跡的にうまくいったのが真核生物だった。

ミトコンドリアは宿主が獲得した栄養素を

タダでもらう見返りに、

酸素を解毒しATPを大量に産生した。

そうして、長い年月が経過して、

完全に細胞内小器官になった。

近年、ミトコンドリア論がブームとなり、

ミトコンドリアを活性化すれば健康になる、と

いう論調が幅を利かせている。

だが、ミトコンドリアは今や単独では決して

行動できない。

細胞核DNAの管理下で働くのがミトコンドリアだ。

だから細胞とミトコンドリアをわけて、

あたかもミトコンドリアを主体に語る論議は、

的を射ていないのだ。

ミトコンドリアは細胞核を酸素の酸化毒から守るために、

ネットワーク状につながってガードしている。

この天然の脱酸素剤、エイジレスを抱え込んだから、

真核生物は地球の覇者になれた。

昆虫も軟体動物も植物もみなミトコンドリアを抱えた真核生物だ。

皮膚を押すと一酸化窒素とATPが分泌される。

一酸化窒素にはミトコンドリアを増強する作用が確認されている。

ATPはミトコンドリアがおもに産生するホルモンだから、

ATPの分泌が高まればミトコンドリアがさらにATPを

産生する正のフィードバックが起動すると見込める。

つまり鍼灸指圧は一酸化窒素とATPの分泌を促進することで、

ミトコンドリアを増強できると推定される。

ミトコンドリアは胃から出るホルモンのグレリンでも増強される。

グレリンは空腹時の胃の蠕動運動に伴い分泌されるホルモンだ。

私が患者の足の三里というツボを押すと、

患者の胃が蠕動運動を起こしグーグーと患者の胃が鳴るのは

日常茶飯事だ。

足の三里というツボは古来から生命力を高めるツボとして

よく知られている。

まさに足の三里はグレリン分泌を通じてミトコンドリアを増強し、

生命力の源であるATPの産生量を引き上げるのだ。

足の三里とグレリンとミトコンドリアをつなげたのは、

私が初めてだろう。

文献データを臨床レベルと融合する。

それが私の持ち味だ。




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2018年02月16日 Posted byハリィー今村 at 05:37 │Comments(0)

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