ストレスは体にいい

ストレスは体にいい

そのむかし、ハンス・セリエという生理学者は、

ネズミを使って、ある実験をした。

その実験とは、はやいはなしがネズミを

火炙りしたり、冷蔵庫に閉じこめたり、

という、まことに大人げない小動物イジメの

あらん限りのリンチを尽くした。

すると、ネズミの副腎は腫れあがり、

胃潰瘍や胃出血が出来て、リンチネズミの体は

ボロボロになったとさ。

これをもって、ストレスは体に悪い、の

ストレス学説が世界中に広がっていったのだ。

まっ、ネズミにとってはいい迷惑。

で、人間にとっても、いい迷惑だよね?

エッ、ストレスは、だって、体に悪いのは常識だって?

そんな馬鹿な!

人間は、いやすべての生き物は、

ストレスがあるから健康に生きていられるんだぜ。

そもそも酸素を吸う普通の生き物たちにとっては、

この酸素じたいがある意味、猛毒ガスなの。

でも、この猛毒ガスを吸い込むというストレスを

自家薬籠中に出来たから、いまのわたしたちのような生き物は、

この酸素が20%もある地球大気を吸って平然としていられるのだ。

酸素だけじゃない。

温度変化だって、気圧の変化だって、あらゆる地球環境の変動は、

すべて地球の生物にとってはストレス因子。

今日のここ静岡県の牧之原市の最高温度は

何度まで上がったかは知らないけど、体感温度では

そうとうに暑かったことは事実だ。

そんな暑さがストレッサーとなって襲いかかり、

いったい、何人の牧之原市民が熱中症でやられたのか?

我が治療院は総合病院のすぐ近くにあるのだが、

救急車のピーポーピーポーが今日に限って、

格段に多かったわけではない。

ちょっとくらい暑くても、それをバネにはねのけて、

むしろ元気になる者だって、けっこういるだろう。

地球温暖化という言葉が聞かれて久しいが、

それで地球人類の人口が減少したとは聞かない。

ひとにおいてストレスは副腎ホルモンのコルチゾールの

分泌を高めて、炎症やアレルギーを誘導するというのが、

いまの生理学の常識だ。

たしかに、そんな一面もあるかもしれない。

しかし、ひとはストレスごときで、簡単にやられるほど

弱くはできていない!

指圧は皮膚や血管壁や筋肉に圧力をかけることで、

その構造を歪める。

この「歪み」という概念がストレスの語源だ。

つまり指圧は押圧ストレッサーを体に与えるストレスなのだ。

冒頭の灸療法は、見ての通り皮膚上でモグサのひとひねりを

燃焼させて、熱を体に与える療法だ。

灸の熱は深部筋肉まで到達し摂氏50度を超える。

そんな熱がピンポイントでツボに注入されれば、

そのツボの皮膚や血管壁や筋肉は熱変性してしまう。

でも、その熱変性による変性タンパク質を修復しようと

ヒートショックプロテインというストレス防御タンパク質が

分泌されてきて、そこで急速な自然治癒がおこなわれる。

熱刺激が機転になりヒートショックプロテインの高まりで、

体がよみがえるのだ。

同じくハリ治療は、皮膚や筋肉に小さな傷と圧力をもたらすが、

これもそれが機転となりヒートショックプロテインが分泌されて、

自然治癒が高まる。

つまり鍼灸指圧はすべてがストレスとして作用するがゆえに、

ストレス防御タンパク質や一酸化窒素やオキシトシンや

βエンドルフィンを誘発することで、

かえって健康を促進するのだ。

まとめるなら、だから小さなストレスは、

大きなお世話ならぬ、大きな健康増進効果がある、

と断言できる。

ストレスは体に悪い、という常識を鵜呑みにしていると、

小さなストレス、大きな効果、の真意など一生わからない。

ストレスがあるから、ストレスに打ち勝つエネルギーが

体に湧いてくるのだ。

ストレスに打ち勝とうとするその姿勢は、

生きることと同義なのだ。

ストレスは健康にいい。

ストレスは体にいい。

これからは、これがスタンダードだ!




2017年08月09日 Posted byハリィー今村 at 20:01 │Comments(0)

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